車椅子での旅行。宿探しは「バリアフリー」と書いてあっても不安が尽きませんよね。この記事では、私自身の経験から、旅館とホテルでの対応の違いや、予約前に必ず確認すべき段差・移動ルートの注意点を、具体的なチェックリスト形式でご紹介します。これで不安を解消し、旅行を「安心」と「ワクワク」に変えましょう!
旅館・ペンションとホテルのバリアフリー対応の違い
同じ「宿泊施設」でも、バリアフリーの度合いには大きな差があります。まずは旅館・ペンションとホテルの違いを知ることが、安心の第一歩です。
旅館・ペンションは特に注意が必要
小規模な宿ほど、入口や館内の段差などに思わぬ落とし穴が。予約前に“本当に入れるか”を確認するのがポイントです。
- 特に、小さめの旅館やペンション、民泊などは、いろいろなところに段差があったりして、施設の中に入るのにも苦労したり、最悪「宿泊は無理だ」となってしまうこともあります。
- わたしの印象では、「旅館」よりも「ホテル」の方がバリアフリーが進んでいる感じがします。
- もちろん、「旅館」でもしっかりバリアフリーの対応をしてくださっているところもあるので、宿泊前に、施設への問い合わせが必要でしょう。
要注意!意外な場所にある段差と移動のハードル
部屋そのものよりも危険なのは、「お部屋までの道のり」。移動ルートの確認を怠ると、思わぬ苦労が待っています。
庭園や離れを通るルートは要注意
庭園や離れを経由する宿は風情がありますが、砂利道や飛び石が多く、車椅子では思った以上に大変なことも。事前にルートを確認しましょう。
- 意外と大変なのが、玄関からお部屋までが遠い場合です。
- その途中に庭園や公園を経由する、お部屋が離れとなると、一気に車椅子だと不自由になることがあります。
- 庭園では、飛び石の石組みを乗り越えなければならなかったり、公園で砂利交じりの砂の道だったりすると、車椅子にはなかなか厳しいです。
- 離れの場合は、石段や山の斜面だったりすることもあり、お部屋からの景色は「最高!」なところもたくさんありますが、そもそも車椅子で到達できないとがっかりしてしまいますね。
宿泊予約前に確認すべき重要事項リスト
電話一本の問い合わせで、旅のストレスを大幅に減らせます。聞きにくいことこそ、先に聞いておくのがコツです。
最低限確認すべきこと
まずは「段差」と「お風呂」。この2点を確認するだけで、宿泊の可否がほぼ判断できます。
- 「車椅子なのですが、施設内の段差などはいかがでしょうか?」
- 「大浴場しかないのか、個室のお風呂(バリアフリー対応のお風呂)があるか?」
一般客室でも宿泊できるかの判断基準
すべての宿にバリアフリールームがあるとは限りません。一般客室でも泊まれるかどうか、自分の動き方に合わせて見極めましょう。
- 「ホテル」でもバリアフリーのお部屋がない場合があります。ただ、車椅子使用者の状態にもよるのですが、例えば、外出は車椅子だが、室内では手すりや壁伝いでなんとか歩くことができます、という状態なら、「どこに段差がありますか?」と聞いてみると良いです。
- 大抵、ユニットバスのところに5センチくらいの段差があることが多いです。その段差を車椅子なしで乗り越えられるなら、一般のお部屋でも泊まることはできるということになります。
- 車椅子で日常を暮らしている方だと、ベッドの高さが問題になることもあります。車椅子からベッドへの乗り移りが難しい場合があるからです。その場合もご家族やお友だちなどに手伝ってもらえるなら、その問題も解決できるかと思います。
宿泊費と介助への要望について宿泊プランとバリアフリールームの料金
バリアフリールームの料金が高くても、安心には代えられません。無理なく泊まれる“自分に合った宿”を選びましょう。
- 宿泊プランをいろいろ出している「ホテル」「旅館」でも、バリアフリーのお部屋はそのようなプランとは関係ないので、宿泊費が上がってしまうのは仕方ないですね。
事前の「見極め」と要望を伝えることの重要性
どこまで自分でできて、どこから助けが必要かを把握しておくと、宿側もスムーズに対応してくれます。遠慮せず伝えることが大切です。
車椅子だからとあきらめずに、思い切って外に出てみてくださいね。
不安を“安心”に変える一歩を
「車椅子だから」と諦める前に、できる準備をすれば旅はもっと自由になります。今日の一歩が、次の目的地への扉になります。
自分がどこまで動けて、どこからが介助が必要という「見極め」は、車椅子を使用している本人もしくは家族が把握していることが多いです。
宿泊施設は、自分仕様ではないことを踏まえたうえで、「これを手伝ってほしい」など要望を出すと丁寧に対応してくれるところもあります。

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