はじめに
車移動は人気ですよね。
障がいがあっても車を運転できる人はたくさんいますし、
車椅子の利用者でも、手が動けば手元操作の専用車で運転することもできます。
車の一番の魅力は、自由度の高さ。
自分の好きな場所で、好きなタイミングで休憩したり、
車内という“個室”でリラックスできるのも大きなポイントです。
ですが、わたしの場合は足と手に障がいがあり、運転は少し難しい。
とっさの判断が必要な場面で身体が反応しないと、大きな事故にもつながりかねません。
――そんなわけで、今回は「ひとり旅」ではなく「友だちとのふたり旅」。
車移動の体験記と、気をつけたいポイントをまとめてみました。
よくある不安
● トイレ問題は最大のハードル
最初に心配になるのは、やはりトイレ。
高速道路なら多目的トイレのある SA(サービスエリア)・PA(パーキングエリア) が助けになりますが、
一般道では簡単には見つかりません。
特に役立つのは、
- 道の駅
- ビジターセンター(山・海などの観光地)
- コンビニ(事前に位置をチェック)
最近は道の駅が増えてきましたが、山間部では「ない区間」が長く続くこともあります。
● 突然の渋滞
高速道路・観光道路では、とつぜん渋滞に巻き込まれることがあります。
まったく動かない渋滞に入ってしまうと、
- トイレに行けない
- 休憩もできない
- 降りられない
と一気に不安が高まります。
● 車椅子の積み込み
通常の自家用車やレンタカーでは、車椅子のまま乗り込むことはできません。
折りたたんでトランクに入れます。
特に注意したいのは、
- 手動車椅子でもそこそこ重い
- 同行者が女性なら、事前に持ち上げられるか確認した方が安心
そして、ドライバーさんは運転しっぱなし。
こちらが元気でも、運転の負担は確実に溜まっていきます。
どう対応すれば安心か
● 渋滞回避には「ラジオ」が一番
高速道路の渋滞情報は、実は ラジオ が最速。
つい音楽をかけてしまいがちですが、渋滞情報は命綱。
「まだ我慢できるから次のPAで…」
そう思って通り過ぎた直後に渋滞へ突入――
これは何度も経験しました。
渋滞は抜けてみると突然スカッと流れだすため、
その反動でスピードを上げすぎてしまう危険もあります。
● 時間帯の工夫
早朝出発はとても有効です。
- 渋滞が少ない
- トイレも空いている
- SA/PAでゆっくりできる
どうしても通常の時間帯になる場合は、「先に先に」予測して動きましょう。
● 観光道路は“ブレーキ渋滞”に注意
景色が良い場所ほど、ドライバーがついブレーキを踏んでしまい、
それが連鎖して大渋滞になります。
そして、
一番景色がいい場所ほど渋滞が解消していて見られない
――あるあるです。
● 「最悪を想定しておく」ことが旅の余裕をつくる
- 早めの出発
- トイレや休憩はこまめに
- SA/PAの事前チェック
- 万一に備えて簡易トイレを準備
これだけで安心度が大きく変わります。
体験記:本当に困ったときの“最終手段”
高速道路で渋滞の真っただ中。
一緒にいた友人が急にお腹を痛め、顔面蒼白。
「もう無理…」
そう言いはじめた瞬間、PAはあと 2km。
わたしは「路肩走行」を選びました。
もちろん、違法行為を推奨するものではありません。
あくまで最終手段であり、完全に自己責任です。
ゆっくり慎重に走り、なんとかPAに到着。
その後、別のときには友人がわたしのために山道を高速で下ってくれたことも。
――だからこそ思うのです。
そんな状況にならないよう、早めの対策が本当に大事だと。
・休憩を惜しまない
・渋滞情報を常に確認
・体調が不安なら、無理に距離を伸ばさない
運転は責任と判断の連続です。
「何かあってから」では遅いからこそ、日頃の備えが命を守ります。
事前チェックリスト
● 高速道路の計画
- どこからどこまで乗る?
- どのSA/PAで休む?
- トイレ・食事・ガソリンの計画
● 一般道の計画
- 道の駅の場所
- コンビニの位置
- 観光地のビジターセンターの有無
● 渋滞回避
- ニュースの渋滞予測
- ラジオの道路交通情報
- 旧道への回避ルートの確認
● 車椅子の準備
- 畳み方・広げ方をドライバーさんと共有
- 後ろの荷物(エコバッグ等)は事前に外しておく
● 運転負担
- 2時間ごとに休憩
- コンビニ休憩も有効
● 車内の備え
- 飲み物の予備
- 簡易トイレ(自分用+ドライバー用)
● 地図を見る力
- カーナビだけに頼らず、紙の地図も見られるとルート変更に強い
おわりに
車での旅は、本当に楽しいものです。
自分たちだけの空間で、好きな音楽、好きな景色を楽しめる贅沢な時間。
だからこそ、
「やっちゃった…」を避けるための準備が大事。
トイレ、休憩、渋滞予測。
この3つを押さえるだけで、旅の安心度はぐっと上がります。
そして最後に――
運転してくれた友だちには、ぜひ「ありがとう」を。
その一言で、旅はもっと温かい思い出になります。
皆さんも、素敵な旅をこれからもいっぱい楽しんでね。

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